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気仙沼市中学校プロジェクト探究フェスタ2024レポート

まるオフィスでインターンをしている立教大学3年のなつみです。

気仙沼の中学生が、有志の放課後探究クラブ「プロジェクト探究部」で約半年の間に活動してきた成果を発表し合う学びの祭典、「気仙沼市中学校プロジェクト探究フェスタ」が12月8日(日)にPIER7で開催されました。
第3回目となる今年はこれまでの発表形式とは異なり、3会場に分かれて27名の生徒が発表を行うブース発表と、メイン会場にて代表者3名による全体発表が行われました。プロジェクト探究部に所属するほとんどの生徒が、これまで行ってきた探究活動の成果をプレゼンテーション形式で発表することができました。会場には、中学生・生徒の保護者、教職員など計37名が参加・聴講しました。

プロジェクト発表 ブース

27名の生徒が3会場に分かれ、これまで取り組んできた探究活動の成果や思いを、4分間の発表の中で披露しました。大勢の前で発表する場に慣れず緊張の色をみせる生徒もいましたが、どの発表も探究を楽しみながら取り組む様子が伝わるものでした。中学生の気づきや自由な発想は、他の中学生や聴講者へ多くの関心と刺激を与えました。
探究に取り組む中で活用した自作のアイテムを発表中に披露する生徒もいました。

発表を聞いた中学生や聴講者は発表者に対して、取り組みへの感想や応援の言葉などをメッセージカードに記入し、感謝や応援の気持ちを伝えました。
受け取ったメッセージカードを丁寧に黙読する中学生の表情に、喜びと安堵の気持ちが表れていたことが印象的でした。
休憩時間には、発表を終えた生徒へ時間内に伝えきれなかった感想や質問を伝えるため、中学生どうしだけでなく大人の聴講者の方々との交流が活発に行われました。

また、残念ながら当日参加が叶わなかった生徒らは、探究活動の資料をメイン会場後方の展示ブースに展示しました。

プロジェクト発表 代表者

3会場での全体発表終了後には、メイン会場で多くの聴講者が見守るなか、探究コーディネーターの話し合いで選出された3名の生徒によるプレゼンテーション発表が行われました。代表者発表では、発表者に対して3人のコメンテーター全員からコメントが寄せられました。

1. 鹿折中2年「かもめ通りを活性化させたい!」
2. 気仙沼中3年「拉致問題を広めるために今の自分にできることは何か。」
3. 松岩中3年「地元の人と技能実習生を繋ぐにはどうしたら良いか」

中学生どうしのグループ対話

中学生どうしのグループ対話は、代表者発表終了後に行われました。「印象に残っていること(主体性・探究性・協働性の観点から)」というテーマで、3、4人のグループに分かれて話し合いを行いました。


このフェスタでは、単にこれまで取り組んだ探究の成果を発表するだけではなく、普段あまり交流のない他校の生徒の発表を聞き、対話することで、自分自身の探究活動を深める機会になればという想いを込めています。
また、共通のテーマに取り組む中学生同士の探究学習の深化につながることもねらいの一つです。

審査員/コメンテーター

審査は、気仙沼市教育委員会教育長を審査員長とし、コメンテーターのお2人の計3人で行っていただき、教育長賞の受賞者を決定しました。

審査員長兼コメンテーター:小山 淳氏(気仙沼市教育委員会 教育長)
審査員兼コメンテーター:沓澤 理恵氏(一般社団法人 Bridge for Fukushima)
審査員兼コメンテーター:菅原 定志氏(元市立中学校校長)

受賞者

プロジェクト探究部の活動を通して最も学び成長したと思われる「教育長賞」が、代表発表を行った生徒の内の1人に贈られました。

受賞校 :気仙沼中学校3年
タイトル:拉致問題を広めるために今の自分にできることは何か。

最後に

気仙沼市や探究コーディネーターが思い巡らし築き上げてきた、探究し続けるまち、気仙沼。探究するにはもってこいの豊かなフィールドや多様なキャラクターだらけだと思います。
とはいえ、そこで自分の興味関心を表現し、全てを学び・経験値として吸収、そして複雑で難解な課題へ勇敢に挑戦し続ける中学生らに、魅力を感じられずにはいられませんでした。

ちょっとした好奇心から始まった探究活動。
中学生のみんながこれからも探究し続けたいと思える理由にはならないかもしれないけど、人と人の思いが出会う瞬間計らずも起きる化学反応で、雷が落ちるような刺激を、みんながさまざまな人に与えるかもしれない。
あるいは、みんなが突然雷に打たれる出会いが訪れるかもしれない。
探究を続ける一つの魅力だと思います。
現に今回の探究フェスタで、個人探究に悩むインターン生に勇気を与えてくれました。
素敵な発表を聞かせてくれてありがとうございました!

プロジェクト探究部の活動、プロジェクト探究フェスタは、来年2025年度も実施予定です。応援どうぞよろしくお願いいたします!

(文・なつみ)

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