ちょこっと記事

まるゼミの歴史2020(第4章)-2019

代表の加藤拓馬です。
まるゼミの歴史を振り返るシリーズ最終回。

前回のあらすじ:
私のエゴでした。

「(何かを始めるときは)カネがない方がいい」
地元学の師匠、吉本哲郎氏が言います。
なんでですか。
「カネがなけりゃ、ない頭を使うだろが」

2017年年の瀬、慢性的な財源不足に悩まされていました。(まぁ毎年恒例)
このまま助成金で活動を継続していても、2020年度に復興期の終わりとともに尽きる。
結局復興バブルだったからできてた教育事業だったのねん…というオチはかえって地元に対して迷惑行為だ。

息の長い活動にするにはどうすればいいか。
なんせ人件費がかかる。逆に言うと、それくらい。
からくわ丸のプレハブ小屋「ホーム」で、えまたちと悩んでいました。

そして、人件費を捻出せずに事業のインパクトを倍増させる方法を編み出したのです!

私は唐桑公民館に行きました。
一緒にやりませんか?と。

そうです、なんのことはない、他組織と組めばいいのです。笑
駆け出し期にこれができるのは、非営利業界の特権でした。

2018年度、唐桑公民館と共に唐桑中学校で「まちづくり学習会」を始めることになりました。
それにあたり教育委員会から「地域学校協働活動推進員」を委嘱されるんですが、個人ではなく団体として受託したのは気仙沼初のことでした。
尊敬するしんやさんが館長だったことが幸運だったんです。

まるゼミは、唐桑公民館、そして唐桑町まちづくり協議会との3者でチームを組んで、漁師体験の実施や唐桑中学校のお手伝いに入るようになりました。おカネはみんなないけど、持ち寄りでマンパワーの総数は増えました。

これは、属人的な事業展開の防止にもつながります。
「この人だからできる」という状況はとてもリスキーで、決して好ましい状態ではありません。“いなか”の小さなコミュニティや小さな組織ではあるあるでしょう。複数の組織による仕組み化は、スピードが落ちるかもしれませんが、持続性において大事なことです。

「早く行きたいなら独りで、遠くまで行きたいならみんなで」

藤山先生も言います。

さて、2018年は2度目の島根県海士町視察も敢行しました。
今度は、市、市教委、気仙沼高、NPO連合チームを組んでいきました。視察のコツは前述のとおりです。

「DoじゃなくBeをマネしてほしい」
視察の冒頭、海士の豊田さんに言われた言葉を今もはっきり覚えています。
気仙沼の教育魅力化チームも厚みが出て、高校生マイプロジェクト応援の他、いよいよ中高へのコーディネーター設置に向けて動き出しました。
(それでも中学校への設置はそれから丸2年かかり、高校は未達成)
安易にノウハウを模倣しようという思考を捨て、先進地島根のBe=在り方を吸収することで、気仙沼のDoが独自に熟していくのです。

2018年は「未来ゼミ」が始まった年でもあります。
いくら地元が好きでも、未来にわくわくしていないと「よし挑戦してやろう」っていうマインドは生まれないよね〜というシンプルな気づきからでした。
NPO底上げの成宮さんと共同主催。彼との協働が本格化していきます。
高校生とVRゴーグルをつけて遊ぶところから始めました。
そしてお恥ずかしい話、この企画をきっかけに一番未来にわくわくし始めたのは私自身でした。笑
AI、IoT、ブロックチェーン、5G…高校生に「未来を変えるツールやサービス」を伝えようと私自身が学ぶうちに、Society5.0への関心が深まっていきます。

時代が大きく変わろうとしている。
明治のご一新(明治維新)に近い、ライフスタイルの急変が目の前まで来ているんだ。
こりゃ地元の魅力を伝えるだけでなく、時代の変化に呼応するように学びもアップデートする必要がある。
そんなことを2019年は強く考えるようになります。

2016年漁師体験として始まったまるゼミは、いつの間にかSociety5.0に向けて中高生と一緒に体験と実践を繰り返すゼミになっていました。

「豊かさ」とは「選べる」ことです。
私は学生時代、ハンセン病による差別やら偏見について学んできました。中国、エジプト、日本をまわりました。
病からの回復後も当事者である彼らは死ぬまで制限をかけられ続けています。住む場所も仕事も。
みな、優しい眼と寂しい眼を持っていました。私の原体験です。

「今日は何をしよう」
「来年は何をしよう」
「この人生で、私は何者になろう」
そしてそれはいつだって選び直せる。漁師だっていい、宇宙飛行士だっていい。
そのために私たちは「学ぶ」のかもしれません。

そんな当たり前の気づきを、気仙沼から形にして、広げていきたいのです。
2020年になりました。

(おわり)

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