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学びを通してチャレンジが連鎖するまちになってきたかもと思った瞬間

気仙沼で一緒に活動するなるさんからお誘いを受けました。「今度、高校生と外国人実習生とバスケするけど、来る?」

その男子高校生は高校の「課題研究」という授業で、外国人実習生たちとのコミュニケーションを深めようと探究しています。そこでスポーツに目をつけ、自らスポーツ交流会を企画した、というのです。

当日、PIER7という内湾エリアにある施設。バスケコート半面分、ガラス張りの屋内運動場にベトナムからの実習生6名がやってきました。高校生は3名。お互いどこかぎこちない感じで自己紹介をして、私たちも含め3人ずつのベトナム日本混合チームに分かれます。交流会の進行は全てその高校生が務めます。

ゲームは大盛り上がり。来日してスポーツを楽しんだのは初めてだったとあとで聞きました。言葉の壁を感じさせないスポーツはやっぱり素晴らしい。

「今どきの高校生ってすごいですよね」

実習生らの引率の女性がぽろり。気仙沼のフカヒレを扱う水産会社の総務課の方です。コート脇でゲームを見ながら立ち話。

「高校生自ら会社に問い合わせてきたんで、企画書があった方がいいって言うと、ちゃんと書いて送ってきたんです。これは協力してあげたいって思ったんですよね」

次は彼女が動きます。会社の実習生を集めてくださり、今日の企画が実現へ。人の行動が人を動かします。さらに、それだけではありませんでした。

「私の息子も高校生なんですよね。今年、◯◯中学校を卒業しまして。それで昨年実は…」なんと。話を聞くと、昨年度中学校で一緒に探究学習に取り組んだ生徒のお母さんでした。「あの模擬クラファンのプロジェクトに取り組んだチームの子ですか!」

クラウドファンディングに挑戦したいから教えてくれ、と相談に来た中3たちがいました。結果、模擬ページを一緒につくり上げ、111名もの回答を集めたのでした。

https://maru-office.com/2020/12/column_33/

「高校に入って、また同じような学習(探究学習)が始まるじゃないですか。自分は中学校で一度経験してるから、グループでの進め方も分かるんだって家で言うんですよ」

くすくす笑ってるお母さんの横で、静かに鳥肌が立ってる私。気仙沼の中学校で探究学習を展開しているねらいは、高校入学時に「探究Ready」な状態=探究を楽しめる準備ができている状態にしょう!というものです。高校生の探究が底上げされ、まちでの実践が増えると、高校生の挑戦が珍しくなくなり、地域の協力者が増え、さらに中高生たちの学びが深まるチャンスが増える。そんな妄想が妄想じゃなくなってきたかも。ドキドキしてきました。

「だからその中学校でよかったなぁと思いましたよ。そういう経験が積めるのはいいことですよね」

それが、このバスケの高校生を応援したい!と思った裏側にある理由だったそうです。

学びは、人から与えられるんじゃなく自分の内側から発する問いから始まります。そしてそこから生まれた挑戦は、身近な家族や地域の大人たちを経由して他の学生にも伝播していくんだ。だんだん確信めいてきた2021年の初夏でした。

(文・たくま)

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