ちょこっと記事

ないなら自分でつくればいい!?マイプロジェクトってなんだろう?クロストーク

今回のレポートでは、気仙沼の高校生MY PROJECT AWARD 2020の中のスペシャル企画「マイプロジェクトってなんだろう?」を大特集します!!

このスペシャル企画は、中学校で探究学習に取り組んでいる中学生、高校時代にマイプロジェクトを実践してきたOB・OG、高校生のマイプロジェクトを全力で応援している大人のクロストークのなかで、「マイプロジェクトとは何か」を探っていきました。

(文・わか)


左から、
宮井 伯武さん(みやい・ともたけ)
中学校で海洋マイクロプラスチックをテーマに探究学習を行っている。現在中学3年生。
伊藤 夕妃さん(いとう・ゆき)
気仙沼の高校生マイプロジェクトアワード第1期、第2期生。現在大学1年生。
三浦 亜美さん(みうら・あみ)
震災後に高校生団体「底上げYouth」を立ち上げてマイプロジェクトに取り組んでいた。現在社会人3年目。
成宮 崇史さん(なるみや・たかふみ)
認定NPO法人底上げ 理事。震災後から高校生達の活動サポート(伴走)を行う。


—— 震災後から、高校生の学習サポートや探究学習の支援を精力的に行ってきた気仙沼。2017年から気仙沼市主催で「気仙沼の高校生マイプロジェクトアワード」が開催されるようになった。運営から高校生の伴走まで気仙沼の官民が連携して実現した。4期目となる今年度はついに市内全4校より17組22名の出場があり、高校生の探究学習の盛り上がりも伺える。最近は「全国高校生マイプロジェクトアワード」に出場する高校生も気仙沼から多数輩出。

そんな”探究”が根付きはじめた気仙沼は、どんな変化を生み出しているのだろうか?その変化に迫っていく。


成宮 さあ、それでは短い時間ではありますが、こちらの4人でトークセッションを行ってまいります。まずはみなさんから自己紹介がてら、高校生の時にどんな活動をしていたかを含めて、お話ししていただけますか?

三浦 私は、今は社会人で気仙沼を離れているんですが、高校生の時には「底上げyouth」という団体を仲間達と立ち上げて、気仙沼の魅力を発信する活動を行っていました。気仙沼が”恋人”という言葉の発祥の地であることから、”恋人”にまつわる様々な気仙沼のスポットを紹介するリーフレットの作成やツアーを組んでいました。

伊藤 私は、今大学1年生で、気仙沼の高校生マイプロジェクトアワードの第1期と第2期に参加していました。
震災後の出会いを通して自分自身がすごく成長できたことから、いろんな人と出会える場をつくるマイプロと、気仙沼に住む人だけではなく、市外の人でも気仙沼と関わる人を増やしていくといった関係人口づくりも行っていました。

宮井 僕は今中学3年生で、幼い頃から爺ちゃんが大島に住んでいたことから、船が大好きなんです。なので、よく海に行っているのですが、その時にプラスチックゴミが大きな問題だと感じ、海洋マイクロプラスチックゴミを減らすための回収装置を制作しています。

活動を通しての変化・成長

成宮 じゃあ、活動をしていくなかで、どういう成長があったかや、自分自身にどんな変化が生まれたのかをお聞きしてもいいですか?また、その経験が今にどう生きているのかも教えてください!

ではまず亜美ちゃんから。

気仙沼を”好き”になれた

三浦 高校生の時にまちづくりの活動をしていたとお話ししたんですが、当時は別に気仙沼を好きではなかったし、気仙沼をどうこうしたいみたいな気持ちがなかったんです。

むしろで震災を経験して、あんまり好きじゃなかった気仙沼が、津波の被害でより”何もない”気仙沼になると、さらに好きじゃない気仙沼になったんです。だから最初は「嫌だな〜。早く出たいな〜。もっと楽しいところが他にはいっぱいあるし」とぼんやり思ってました。

でも、ないじゃんないじゃんって思ってるのはつまらないし、「ないなら自分でつくればいいじゃん!」っていう友達が身近にいたことから活動を始めました。その活動のなかで、自分で動いていくことで、気仙沼を”好き”になれたことが大きなことでしたね。

それに、活動を始める前は、将来はぼんやりと仙台や東京に行きたいと思ってたんですけど、活動をやっていくうちに、自分の興味ややりたいことに結びつけた将来の選択ができるようにもなれました。

ですが、せっかく頑張ってきたのに、社会人になって気仙沼を離れてしまったら、もう何もできないのかなと思ったりもしてました。でもそうではなくて、気仙沼を”好き”でいれているおかげで、気仙沼を離れた後も声をかけていただいて、こうやって休みの日などに貢献できることがあってよかったです。他にもいろんな機会をいただけたり、出会いも続いていて。離れたら終わりではなく、むしろ自由で、楽しくいれるようになれたかなと思いました。

成宮 いいですね。社会人になったからこその気づきも含めて、お話いただきありがとうございます。夕妃ちゃんはどうですか?

伊藤 変化っていうと、私は周りの大人がすごいな、と気づけたことが一番の変化でした。マイプロをやってる高校生はみんな共感してくれると思うんだけど、伴走してくれる大人達は、何が正しくて何が間違ってるのか分からなくて、自分の思いもうまく言葉にならない高校生に対して、自分のやってみたいことに「いいね!」と共感して、一緒に楽しんでくれました。そんな大人がワクワクしている環境ってあんまりないんじゃないかなぁって。自分の中で大人の見方が変わりましたね。

そして、自分は今大学1年です。新型コロナの状況もあり、入学式もなく、授業はオンラインで、キャンパスもなくてかわいそうな状況だよねという話をよく聞きます。私も最初はそう(自分自身に対してかわいそうだと)思ってたんですけど、見方を変えればこの変化の激しい、面白い時期に学生生活がおくれることに誇りを持てています。やっぱりそう感じれたのは、私の周りにいた大人がワクワクしていたり、やってみようという雰囲気をつくってくれる姿を見れたのが大きいです。あとは、マイプロはずっと考えて、アクションを起こしていく「探究」だったので、自分がいる状況で何ができるかを考え続ける、自分自身に問い続けられることは、高校を卒業した後の自分にとって大きな経験だったと思います。

成宮 ありがとうございます。今夕妃ちゃんは、気仙沼市内に居ながら東京の大学生をやっていて、その中で僕たちと一緒に気仙沼高校の放課後相談室に行って、マイプロのOG生として高校生に関わってくれているということが非常に嬉しい限りです。

マイプロで大変だったこと・こんな機会があればよかったこと

成宮 それでは、少し角度を変えて、マイプロや探究をやってる上で大変だったことやそれをどう乗り越えたかを教えてもらえますか?また、こんな機会があればよかったなということがあれば聞かせてもらえますか?

ひとりはキツい…。

宮井 大変だったこととしては、やっぱり一人でやっていかなきゃいけないことですかね。周りに興味がある同級生がいなくて、一緒にやれなくて、一人でやっていくことはキツかったですね。一番キツかったのは、アポ取りでした。漁協とか市役所に電話をかけるのが本当に緊張しました。それ以外の(装置を)作る作業は失敗しても、また材料買い直せばどうにでもなると思えてたんで。

成宮 それはやってみてどうだった?続けてみてやってよかったな〜という感覚はある?

宮井 まあ〜、あるっちゃありますね!笑

成宮 まだ苦手意識はある?笑

宮井 まあまあ…(笑)でもこういうことが好きなんで…

成宮 そしたら、(探究学習に)こういう機会があればよかった、とかはある?

宮井 同級生はあんまりやりたいことを考えられていなくて。でもそれはきっかけがないだけなんだと思います。なので、考えるきっかけがあればいいなと思っています。
あと、僕が今やりたいことが一つあって。それはNHK朝ドラ「おかえりモネ」の観光PRなんです!高校1年という一番動ける時にドカンとやってみたいと考えてます。

成宮 いいね〜、まさに来年はチャンスの1年だよね。その活動から周りの子達が考えるきっかけになっていったり、仲間が増えていくかもしれないね。ありがとうございます!

夕妃ちゃんはいかがですか?

どんどん聞いて、自分の言葉に

伊藤 自分なりにPDCA(Plan Do Check Action)サイクルを考えて、一連の流れをつくるのが難しかったですね。私は、テストを受けても復習はしないタイプだったので、間違っても、なんで間違ったんだろう?ってことを問い続けられなかったんです。でもマイプロは、実践して、気づきを得て、またやってみようという流れなので、ダメなところやよかったことが勝手に考えられるようになっていました。その、自分の言葉にして、アクションして、という流れを掴むまでが大変でしたね。

成宮 なるほど。PDCAでいうCやAの部分が、なかなか自分だけでは考えづらいところだったんですね。それはどういう風にすれば、もっとうまく回ったかなと思いますか?

伊藤 自分が実践してよかったのは、とにかくいろんな大人に聞いてもらうことですかね。その中でアドバイスをもらって、自分の頭の整理ができたのはよかったと思います。

また、もっとあればいいなとと思ったことは、気仙沼だけじゃなくて、全国で同じようにマイプロみたいなことをしている高校生と、もっと会っておきたかったなというのが一つあります。

成宮 いわゆる同志みたいな人が全国にいっぱいいるのでね。そういう繋がりがあればってことですよね、ありがとうございます。

亜美ちゃんはいかがですか?

三浦 震災直後の私の高校時代とは今はまた状況が違うので、それを前提にさせてくださいね!(笑)

当時は気仙沼マイプロジェクトアワードみたいなものもなく、ただ自分達のやってみたいことをやっていました。その時、大人の人達に対してまず思ったのは、高校生達がやってみたいと話していることは、まず勝手にやらせてほしい。でも絶対、止まったり、悩んだり、分からなかったりすると思うので、辛い時はちょっと手を差し伸べてほしい。かつその時に、応援してほしいし、褒めてほしいということですかね。(笑)

「頑張ってるよ」「できるできる!」
という言葉がほしい時があるので、そういう時はそういう言葉をかけてほしいですね。

あとは、やっぱり学校の先生とかに宿題や部活のことを聞かれることが多いので、部活があるからやりたいことができない、想いはあるのにできないと思ってしまうんですよね。きっと両立できる方法はあると思うんですが、どうしたらいいか分からないところなので、こんな方法ならできるんじゃない?こうしてみたらいいんじゃない?と声かけしてもらえると、どんどん広がっていくなと思います。

自分も大人になったので、そんなサポートができる立場になりたいなと思いつつ。(笑)

成宮 なるほどね。絶妙な距離感や伴走者とのバランスがあると思うんですけど、もちろん高校生をリスクから守るために言ってくれることもあると思うけど、でも基本的には「いいよね」とか「やってごらん」と言ってくれることが励みになるから、いいタイミングでそんな声かけができたらなぁと、確かに重要だなぁと感じました。

マイプロの広がりをどう感じているか

成宮 それでは、こういうマイプロジェクトに取り組む高校生や中学生が気仙沼に広がっていくことをどういう風に感じているのかを教えていただけますでしょうか?

宮井 やっぱりこういうことは、僕自身は好きなことでもあるので、仲間が増えていくことが嬉しいなという思いがまずあります。また、これからはAIに仕事が取られていったり、新しい仕事が増えていったりする世の中になるので、人間でないとできない仕事を考えていかなければならないと思います。そういったときにこの取り組みはいいことかなと思います。

成宮 まさに、自分で考えて動く、とは人間らしいことですよね。(宮井くんがいる)松岩中学校ではひとり1テーマを持って探究する取り組みが始まっていて、想いを持って活動している姿を見れるのは興味深かったです。

伊藤 初めてマイプロに参加したときは、学校外で活動するのも初めてで、同世代の子達からも何やってるの?と聞かれることがよくありました。これからマイプロや探究活動が増えていけば、アクションすることは楽しいんだと感じてもらえたり、なんか壁にぶつかったとしても考えて乗り越えていく方法を高校生の段階で学べて、それが糧となって、大人になっても活かせる時が来るんじゃないかなと思います。なので、興味持ってほしいです!

成宮 ありがとうございます。もっともっと広がっていってほしいなというところですよね。

三浦 私ももっともっと興味を持ってほしいなという気持ちがあります。また、私はたまたまきっかけがあって、行動して、気仙沼を好きになれたんですが、まだまだ気仙沼に魅力を感じてない人はいると思います。でも、どんなタイミングかは分からないけど、気仙沼を好きになれるタイミングはあると思うし、そのタイミングがマイプロのきっかけだろうなと。なので、そのタイミングが10年後とかになったとしてもいいように、マイプロはこれからも続いていったらいいなと思います。
今は参加者だった高校生が運営をするようになったり、まだ高校生じゃない子達が大きくなって参加していくかもしれないですよね。そんな、いいことがずっと続いていったらなぁと感じてます。

成宮 ありがとうございます。

高校生達にエールを!

成宮 それでは最後に、この会場にいる高校生に一言エールをいただけますでしょうか?

伊藤 年々アクションの仕方やプレゼンなど、マイプロのレベルがどんどん上がっていくのを感じています。これからもそんなマイプロを続けていって、その中での気づきや新しいやりたいことをどんどんやっていってほしいなと思います。

三浦 7分間のプレゼンでは足りないくらいどれも面白いマイプロばかりで、私も勉強になったし、私の知らない気仙沼をたくさん教えてもらい、嬉しかったです。マイプロを通して得た体験や仲間達、大人からのアドバイスは、今も変わらず自分の大きな経験となっています。なので、これからもマイプロを続けて、どんどん経験していろんなつながりをつくっていってほしいなと思います。

宮井 やっぱり先輩だな〜、と思いました。中学生にはできない考えや、行動力がすごいなと思いました。自分も来年から高校生になるんですが、そんな先輩達を見習っていきたいなと思いました。

成宮 いいですね、素敵な感想をありがとうございました!!ぜひ、ここの繋がりも大切にしながら、一緒に活動する仲間として素敵なものが生まれていくといいですね。
そして、今日はオンラインで中学生や高校生も見てくれていると思うので、これを機にやってみたいと思ったり、継続して活動していきたいと思う子達は、いろんな方が力になれると思いますので、一緒に楽しい時間を過ごせたらいいなと思っています。

それでは、拙い司会ではございましたが本日のトークセッションは以上となります。
どうもありがとうございました!

まるチューブ

ピン留めニュース